ドライバーモニタリングシステム(DMS)の導入を検討する際、「カメラで居眠りを検知する装置」という大まかなイメージだけで終わらず、どのような機器やシステムで構成されているのかを理解しておくと、自社の車両に適した構成を判断しやすくなります。本記事では、DMSを構成するハードウェアとシステム全体の仕組みを整理します。
ドライバーモニタリングシステムとは
ドライバーモニタリングシステムとは、走行中のドライバーの状態をセンサーで継続的に把握し、危険な兆候が見られた場合に警告を発するシステムの総称です。カメラでドライバーの顔を撮影するタイプのほか、ハンドル操作から間接的に状態を推定するタイプなど複数の方式がありますが、本記事ではKMAXが扱うカメラ式のDMS「AlarMe(アラーミー)」を例に、システム全体の構成を解説します。
DMSを構成するハードウェア
AlarMeは、次のような要素で構成されています。
| 本体・ドライバー撮影用カメラ | ドライバーの顔が映る位置に設置し、走行中の映像を継続的に取得する。 |
|---|---|
| 赤外線LED | 暗い車内でも撮影できるよう、赤外線照射を補助的に用いる。 |
| 電源・電源ケーブル | DC12V/DC24Vの車両電源からトランスケーブルを通じて給電する。 |
| microSDスロット | 警告発生時の画像・映像を記録する。 |
| Micro USBソケット | スマートフォンとの接続による設定・プレビュー用。 |
| GPSアンテナ接続 | 速度条件を警告の有効化条件として利用する。 |
| I/Oケーブル・RS232出力 | 外部機器(振動クッションなど)との連携に使用する。 |
これらのハードウェアが連携することで、単に「撮影する」だけでなく、「判定する」「知らせる」「記録する」「外部機器と連動する」という一連の機能が実現されています。
ハードウェア仕様を確認する →システム全体の仕組み
DMS全体の仕組みは、大きく次の流れで整理できます。
- カメラが走行中のドライバーの映像を継続的に取得する。
- 取得した映像をもとに、目閉じ・あくび・よそ見・下向き・通話や喫煙・カメラ遮蔽・運転席不在など、複数の警告カテゴリーについて状態を判定する。
- 条件に該当した場合、車内で音声による警告を行う。
- 必要に応じて、I/O出力を通じて振動クッションなど外部の警告装置を連動させる。
- 警告発生時の画像・映像をmicroSDに記録する。
- GPSと連携している場合、設定した速度帯でのみ警告を有効にする。
設定・調整の際には、Android端末にインストールした専用アプリを使い、カメラのプレビューを確認しながら設置角度や感度を調整する運用になっています。
クラウド・アプリとの関係
AlarMeの設定・プレビューにはAndroidアプリが使用されますが、車両側の検知・警告そのものは機器単体で完結する仕組みであり、クラウドサービスへの常時接続を前提とはしていません。メーカー資料ではクラウド経由での遠隔監視や車両管理プラットフォームとの連携がオプションとして紹介されていますが、これらがKMAXの標準構成として提供されているかどうかは現時点で確認できていません。導入を検討する際は、クラウド機能が必要かどうかを個別に確認することをおすすめします。
他システムとの連携情報を見る →活用例
複数車両を保有する運送会社では、各車両にDMSを設置する際、GPS連携による速度条件を統一しておくことで、低速走行時の誤警告を避けつつ、高速走行時の居眠り・よそ見をしっかり検知するといった運用が考えられます。振動クッションと連携させたい現場では、I/O出力の電気的な仕様を事前に確認したうえで組み合わせることで、音声に気づきにくい環境でも警告を伝えやすくなります。
導入時に確認すべきポイント
DMSの構成を踏まえたうえで、導入前には次の点を確認しておくとよいでしょう。
- 車両の電源方式(DC12V/DC24V)に適合するか
- カメラの設置位置・アイポイントを確保できるか
- 外部機器(振動クッションなど)との連携が必要か、その場合は電気的・プロトコル的な適合性を確認したか
- GPSによる速度条件の設定が必要か
- microSDに記録した画像・映像をどう運用するか
まとめ
ドライバーモニタリングシステムは、カメラ・赤外線LED・microSD・GPS・I/O出力といった複数のハードウェアが連携し、「撮影→判定→警告→記録」という一連の流れを実現するシステムです。仕組み全体を理解したうえで、自社の車両・運用に合った構成を検討することが重要です。